こんにちは、ピアノ講師の歩です。
私は23区にほど近い神奈川県の割と大きめの駅近くにある音楽教室でピアノ講師をしていた事もあり、子供の生徒さんの人数と同じくらい大人の生徒さんのレッスンを長年させて頂いてきました。大学生から仕事終わりに来て下さる会社員の方、6.70代のシニアの方まで様々です。
そして必ずご入会の前に「ご相談」という面談の時間を取るのですが、その中でするお話がこんな内容です。
- これまでのピアノや他の音楽の経験
- どういった曲が演奏したいか
- 練習や練習環境(ピアノ)が必要なこと
- ピアノを始めたいとおもったキッカケ
音楽教室にいったら必ず聞かれるという訳ではなく、私の中で決めていたことです。
なぜキッカケが必要かというと、どんな事でピアノに関心を持ち始めたか、なりたいイメージがあるか、何が目的か、そのためにどれくらいの熱量の指導を希望されてるかなど、その人の心の奥底にある「ピアノレッスンに求めるもの」を訴求するためです。
そこまではっきりとしたイメージがない方ももちろんいらっしゃいますが、お話してるうちに少しずつ生徒さんのなりたいイメージが感じられるので、なにげないコミュニケーションを大切にしています。
では、大人の生徒さんに聞いたピアノを始める事になったキッカケをほんの一部ですが、まとめてみました。
50代女性会社員のかた
- 始めたキッカケ・・・グランドピアノに憧れて、以前から弾いてみたかった。
- ピアノ歴・・・7年
- レッスンを続けた感想・・・少し弾けたらちょっとずつ楽しくなり続けています。
お子さんが高校に入学され子育てもひと段落というタイミングで、お仕事後に通える教室をと探して入会してくださった生徒さんです。子供の頃にエレクトーンのご経験はあったとの事で音符の読みはほとんど問題なく、クラシックもポピュラー曲もどちらもお好きだったので、それぞれ1曲ずつ計2曲を進めるといったペースで行っていました。家庭とお仕事とお忙しい中、毎週のレッスンに通う事も大変な時もあったと思いますが、 年に二度の発表会もかかさず出演してくださり、 楽しんで頂いています。
70代男性Oさん
- 始めたキッカケ・・・幼稚園教諭である娘さんのピアノの演奏に触発されて。
- ピアノ歴・・・12年
- レッスンを続けた感想・・・要点を的確に指導された事によりレッスンを受けるごとに上達し、それが私を元気づけてくれました。
定年退職後から始められた大人の方です。ご自宅に娘さんのために購入されたアップライトピアノがあった事や、幼稚園の先生として活躍されている娘さんの姿に触発されて始められた生徒さんです。全く初めてでいらっしゃったので、音譜の読み方からレッスンを始めるたですが、スタートと同時にどんどん弾いてもらうために、大人の方向けの曲集で階名(ドレミ)が最初から記入されている楽譜を使用し、まずは音譜を読む負担を減らして、始めたばかりでも演奏の楽しさを感じてもらえるようにレッスンを行いました。だんだん階名記入済の楽譜の利用頻度を減らして通常の楽譜に切り替え、1~2年後にはご自身で楽譜をすらすら読めるようになっていました。
60代女性Aさん
- 始めたキッカケ・・・新しいことを学びたいと思って。
- ピアノ歴・・・10年
- レッスンを続けた感想・・・認知症予防に最高な趣味・習い事です。生活が潤います。
前任の先生より引き継いだ生徒さんです。既に数年習っていたので、問題なくなんでも演奏できる状態でいらっしゃいました。レッスンでは希望の曲を聞きながらテキストを用意し、1ページ目から順番にというよりはその時弾きたい曲を弾くといった自由なペースで行っていました。少し難しいチャレンジングな曲と、そんなに練習に負担にならないような弾きやすい曲と1曲ずつバランスよく取り入れてレッスンし、課題をクリアするたびに「ピアノやっていたらボケる気がしません」といつも言って頂いていました。
保育学部の女子大生Mさん
- 始めたキッカケ・・・学校で必要だったため
- ピアノ歴・・・4年目
- レッスンを続けた感想・・・とても楽しくレッスンに通っている。
進学先が推薦入試で決まった、高校3年生の冬からレッスンを始められた生徒さんです。全く初めての状態からピアノ教室が大学入学前より少しだけ先行する形でスタートしました。ですが、大学のピアノのレッスンは、ピアノ教室で順当に進める内容をものすごい駆け足で進んでいくので、ピアノ教室の内容をあっと言う間に通り越して行き、ついていくのがいつも大変そうでした。レッスンでは足りない部分を捕捉する形で大学のレッスンの内容に沿って進めていました。そして本人の努力の甲斐あり、ピアノの必要単位は3年生の前期で履修し終えましたが、駆け足で進んだため端折られてきた内容を埋めるためにピアノ教室へは頑張って通い続けています。と、必要に迫られて頑張っているものばかりかと思っていたのですが、弾けるようになってきた事が「楽しい」とちゃんと感じてもらえてるようで、とても嬉しい結果となりました。
70代男性
- 始めたキッカケ・・・家にピアノがあったため
- ピアノ歴・・・25年ほど前から断続的に
- レッスンを続けた感想・・・定年退職後の生活の一部となった。好きな曲を自分の手で弾ける事が嬉しい。
こちらの生徒さんも定年退職後にいらした生徒さんです。長年、日本各地の転勤先で習ってまた転居、と断続的にレッスンに通われていたそうで、やはり娘さんのために購入されたピアノを見ていて「自分で弾いてみようかな」と思った事がはじめのキッカケとの事でした。クラシック音楽を聞くことが元々お好きで、バッハや古典の時代の知識も豊富でいらっしゃいましたので、私の知る限りの豆知識やご興味ありそうなな?と調べた音楽史などもお話し、ピアノの演奏のレッスンももちろんですが、音楽全般の知識の共有というところでも楽しんで頂けていました。
年齢、性別など生徒さんのタイプ
キッカケや感想をご紹介できたのはほんの一部ですが、これまでの生徒さんがどんな方だったかグラフでまとめました。
60代70代の方が結構多いと感じられたかと思いますが、ご入会は60代で継続しているうちに70代に入られた方が殆どです。継続率でもわかる様にシニア層の方は長く通って頂いてる方がとても多く、ピアノが生徒さんの生活に溶け込んでいることがとても嬉しかったです。
反対に20代のうちの半分は子どもの頃から続けていて二十歳を超えたという生徒さんでした。これまた長く通って頂けて、生徒さんの人生の節目節目にも関われる事がとても嬉しい事でした。
大人の方でピアノを始めた方は、子どもの頃に習っていた経験がある場合と全く初めての生徒さんが半々で、中には奥様がピアノ講師で自宅にグランドピアノがある方もいらっしゃいました。
色々と数値化してみましたが、教室に通っている=ピアノ愛好家と思っているわけではないので、独学だったりたまに演奏しようかなとピアノを思い出したり好きでいて下されば、それはもうれっきとしたピアノ愛好家だなと思います。
まとめ
子供の生徒さんは学習者としてピアノの演奏力や音楽力を高める事が1番の目的であり、音楽教室からすれば「商品」であります。
大人の生徒さんになると、もちろん上達が目標であることは変わりないのですが、上達だけが商品としての価値そのものかというとそうではなく、商品+付加価値的な意味合いが深くなると思います。趣味の要素であったり癒しであったり、脳トレが目的であったり、レッスンを続けて頂いている理由は様々です。
経験がなくても、何歳でも、電子ピアノしか置けない方も大丈夫です!数ある趣味の中でもピアノは特に自由度が高くその人のペースで無理なく長く楽しめるものですので、迷ってる方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
以上、大人の生徒さんに聞きたピアノをはじめたキッカケと続けた感想と年齢、男女比、継続率などでした!