お子様のピアノ

ピアノ歴(年数)に対する進度の平均とは?【後編】

ピアノを習ってる年数に対して、どのくらいの進み具合であれば遅いのか・早いのか?気になった事はありませんか?

私がインターネットで調べた限りではきちんとしたデータや統計って出てこなかったので、多分これまでそのようなアンケートは全国規模で取られた事自体ないのだと思いました。

あったとしてもプロレベルからのんびりタイプの生徒さんまでの平均値って、幅広すぎで参考にならないし、教材やメソッドも多岐に渡り、それぞれのそ取り組み方、楽しみ方があるものなので、比較する事自体そんなに意味ないかな~とは思いつつ・・・よく受ける質問であることは確かなので、伝わりやすい答えを考えてみました。

という事で、私がこれまでのレッスンで担当させて頂いた子供の生徒さんのパターンを4段階に分けて一例としてご紹介する事にしましたので、ご参考になさってください。 そして最後に「費用対効果」という事で、実際にかかる費用の概算を出してみたいと思います。

【前編】はこちらよりどうぞ☆

③発表会は毎年出演【日々はのんびり、年に一度の発表会だけは頑張るタイプ】

1年生から習い始めた6年生のCさん。所有楽器は電子ピアノ。元々練習量が多い方ではないので進度はゆっくりめ。なかなか自分の希望やチャレンジしてみたい曲を口に出して伝える事が苦手なタイプでしたが、ペダルを踏む曲が弾けるようになってから少し積極的になってきたので、教本以外にもゆったり流れるような曲やディズニーのバラードやジブリ曲など、楽しめそうなレパートリーを取り入れてました。

◆1年生~4年生→ぴあのどりーむ1~4巻 (練習時間20分〜30分/週3~4日)

◆5・6年生→バイエル下(練習時間20分/ 週3~4日)

※ その他併用教材もあり。練習時間はヒアリングを重ねた上での概算です。

進度がかなりゆっくりな生徒さんです。これまでの生徒さんと比較すると練習日数も時間もかなり少ないです。このあたりの生徒さんの特長として、一曲合格するのに数か月かかってしまったりして進度が遅いので、日ごろ楽しさや達成感を感じにくくなってしまいます。でもピアノは弾きたい気持ちもありますし、年に一度の発表会は頑張っています。親御さんも「もうちょっと頑張ってくれれば」とまだ期待もされているので、発表会は年に一度の大幅ステップアップの大チャンスとなります。そして飛躍の年となる生徒さんもいますし、発表会が終わればいつものペースに舞い戻りのんびりタイプになる生徒さんもいます。

また、進度がゆっくり=ぴあのどりーむの中の曲や挿絵が「子供っぽい」と言われるお年頃を迎え 、バイエルに変更する事も多くなります。できればここでブルグミュラーに飛び級してしまいたいとことですが、のちのち無理がどこかで響いてしまう事を考えるとここはぐっと我慢してバイエル下巻を抜粋でも良いので頑張ってもらいます。

学校のお友達はブルグミュラーに入っていている子も多く、音楽室のピアノで「アラベスク」や「バラード」を弾いている姿をみてかっこいい!私も弾きたい!と思うそうで、私にもそう訴えてくるので「そしたら練習量を増やして早くバイエルを終わらなきゃ~!」といって煽るのですが(笑)6年のピアノ歴で、この練習量が恒常化してしまっているのでなかなか急には進みません。もちろん発表会等で弾く演奏曲としては本人の希望優先なので、よほど実力との乖離がない限りはブルグミュラーから選曲する事はぜんぜんOK。特に前半の曲でしたら問題ありません。

そうこうしているうちに中学進学の時期を迎えるので、そのタイミングでレッスンの継続可否も含めたレッスン計画を、本人の希望やお母様とコミュニケーションを取りつつ考えていきます。

④年間行事は参加しないがピアノ(レッスン)は好き【のんびりマイペースタイプ】

2年生から始めた生徒さんで今4年生です。ピアノはどんなの使ってるんだっけ?と聞くと「壁に立てかけてあるピアノ」との事。キーボードですね・・!

ご入会時のお母様の希望も「学校で困らないようにしたい」との事でしたので、ご相談の段階ではそこまで積極的に楽器の購入を勧めなかった事もありますが、レッスンが始まると、家のキーボードは鍵盤が軽く、教室のグランドピアノで弾くと鍵盤が重いのでうまく弾けませんでした。またテキストが進めば鍵盤が足りなくなってくるので「せめて88鍵ある電子ピアノを・・」と何度かお伝えしましたが、「上手くなるか分からないのに高価なピアノは購入できない」との事でした。

◆2~4年→バイエル上(練習時間10分/週2~4日)

※ その他併用教材もあり。練習時間はヒアリングを重ねた上での概算です。

ピアノの購入は「上手になったら買います」 発表会も「上手になったら出たい」 と言われるパターンです。上手になるためには環境が必須なピアノですが、ピアノという視点でなければ私も「結果」が分からないモノに対してどのくらいお金をかけていいか迷う事はあると思います。

本人はピアノのレッスンに来ることや私に会いに来る事は(かなり手前味噌ですがw)好きでいてくれていています。ただ、練習量はかなり少なく、ほぼ一人では何も出来ていないので、レッスンに来ると一緒に練習する事がメインとなり、毎週コンスタントに新しい事を教えてる時間の余裕も、また本人の受け止める力もあまりありません。

もちろん 少しずつでも前進してほしいので、家に帰って困らないようにと、レッスン内に疑問はクリアできるように方法を変え・言い方を変え・あの手この手で理解出来るように伝えるのですが、自宅でフィードバックするルーティーンがなかなか出来上がらないので、次週会ってもほぼ同じ話をするような状態です。

始めたばかりの頃や小さい年齢のうちは曲も簡単なので何回か一緒に練習すれば合格はしますし、レッスンに来るだけでも楽しいようです。ですがやがてピアノは伸び悩む壁も現れ、他の習い事や自分の好きなことに時間を割きたくなり、なかなか長くは続かないケースとして代表的なパターンなので、なるべく③への編入を目指したいところです。

①~④の生徒さんの割り合い

私の生徒さんのケースを4タイプに分けてお話しましたので、他の教室の先生や生徒さんも一緒であるとは思っていませんのでその点だけご承知おき下さい。

後編の冒頭でもお話しましたが、取り組み方や楽しみ方は人それぞれですし、ひとつの商品に対してどれくらいの価値を感じてお金を投じれるかも人それぞれですが、ひとつの目安にはなったかと思います。

ちなみに①~④のタイプの生徒さんは代表の生徒さんの例ですが、たいたい同じような段階の生徒さんに全ての生徒さんを分布すると・・

①・・・10%(週5日のレッスン日のうち、各曜日に1人いるかいないか)

②・・・ 45%(多くの生徒さんがここに当てはまります)

③・・・ 30% (中学入学と同時にお別れの時期を迎える確率の高い層です。)

④・・・ 15パーセント(週5日のレッスン日のうち各曜日に1~2人)

こうやってみてみると、練習環境や家族のサポートは本人のやる気にも非常に深く関わってきますし、継続年数の短さ・長さにも影響してきます。

まとめと費用面のお話。

いかがでしたでしょうか。 細かくまとめたようで、やはり人それぞれの要素が強いので、参考程度に見てもらえたらと思います。

そして費用面ですが、ピアノを始めるのに必要なものは・・

【初期費用】

◆ピアノ・・電子ピアノorアップライトピアノが主だと思いますが、20万~100万円あたりをお考え頂けたら十分だと思います。十分って・・・そうですね、かなり幅があるのですが、ここでは書ききれません!

こちらの記事もチェックしてみて下さい。

◆入会金・・・0円~1万円前後。音楽教室のキャンペーンやご自宅教室の先生は入会金がかからない事もありますが、相場は数千円~1万円程度が多いです。

【ランニングコスト】

◆月謝・・・地域やレベルにもよりますが、大手音楽教室が月1万円前後、自宅教室の先生が月7000円ほどとインターネット調べではこのあたりが平均のようです。大手音楽教室で1年通ったら12万円、10年習ったら120万。自宅の先生なら1年間で8万4千円、10年通ったら84万円ということになりますね。

◆教材費・・・1冊1000~2000円程度。輸入版や上級者向けのテキストは5000円前後する事もありますが、一般的な内容の国産楽譜であれば1000~2000円 前後が多いです。一年に2冊ずつ買ったら年間4000円、10年で4万円ですね。

◆発表会・・・大手音楽教室は1万円前後、自宅教室の先生は自宅なら参加費無料や5000円前後の事がおおいようです。

◆グレード、コンクール・・・こちらもレベルによって変わりますが、5000円~1万円ほどが相場で、コンクールは予選、本線、全国大会など勝ち抜いていけば都度参加費はかかります。

◆クリスマス会・お楽しみ会・・・0~500円。退会防止対策の一環として生徒さんや親御さんへ楽しんでもらうサービス的な要素が強いので低価格の設定の事が多いです。会場もいつもの教室でやる事が多いですが、参加費ほぼかからず人前で演奏できるチャンスなので是非活用して頂きたいです。

以上になります。

是非ご参考になさってください。