マメ知識

ピアノの発表会で緊張しない方法

今日は発表会で緊張してしまう、そのせいでなかなか自分の実力が発揮できない!と思う方へ、少しでも演奏が上手くいくよう事前の心構えや練習方法から、当日にできる対策などお話ししたいと思います。

緊張する人しない人

私は子供の頃は、順番待ちのため舞台裏でスタンバイが始まり、3番前の人が終わり・・2番前の人が終わり・・・前の人が終わり・・・といよいよ自分の番が迫ってくると心臓のドキドキが止まらず緊張感が高まって行くのですが、お辞儀をしてピアノに座り「ふぅ」と深呼吸をして両手を構える。そして小さくスッと息を吸い込んで演奏を開始すると不思議と自分の世界に入る事ができてました。

子どもの頃は・・。

いつからか、恐らく仕事として人前で演奏するようになってからは責任やプレッシャーを感じて演奏しているせいか、これ以上良い演奏はない! 実力を思う存分に発揮できた!と思える演奏はそうそう数多くはできていません。

講師演奏などを聞いて頂いてる生徒さんからは「そんな風に感じません!」「先生くらい弾けたら緊張しないで楽しく弾けるんでしょうな~」と言って頂けますが、とんでもないです。

緊張でお腹も痛くなりますし、手も震えますし、間違えてます・・。

中には全く緊張しない人もいるようですが、緊張してしまう人にとって「緊張しない方法」は厳密にいうとありません。いきなり今日のブログのタイトル無視した結論を書いているようですが、実はないんす・・・(・_・;)

ではどのように上手く緊張感と向き合えばいいか、生徒さんへよく伝えてる方法や私も日頃実践している方法をお伝えします。

普段の練習やレッスンでできる事。

なかなか普段の生活で、緊張する事ってないと思います。

似たような体験であるとすると「ヒヤリハット」といったあまり良くないハプニングだったり、仕事で人前で何かを発表する等でしょうか。

ピアノで緊張する事は前もって分かっていることなので、少し慣れておく方法をご紹介します。

①リハーサルをする・・・家族やお友達など少数でも大丈夫です。いつも仲良く過ごしている人の前であっても、お辞儀をして本番のように演奏してみて下さい。意外と緊張するものなので、事前に緊張感になれる事ができます。

②本番当日の服を着て演奏をする・・・これも本番を意識する方法でおすすめで、普段着で何の気なしに演奏するのと全然気分が違ってきます。また、本番当日の靴を履いて練習する事で、いざ本番急に普段室内で裸足で練習している感覚と靴を履いてペダルを踏んだ感覚が違う!と慌ててしまう事を防ぐ事が出来ます。

③録音する・・・スマートフォンや携帯でも大丈夫です。録画ボタンを押した瞬間「録られてる=聞かれてる」ように感じますし、自分の演奏を客観的に振り返る事ができますので有効な練習方法です。

④朝一番で演奏してみる・・・これは本番一週間くらい前になると私が毎朝実践している事なのですが、寝起きに頭と体が上手く働かない感覚は、緊張して思うように指が動かない感覚に少し似ています。おんなじとは言いませんが、「うまく弾けない」状況をあえて再現するとしたら寝起きが一番近いかなと思っています。家族や近所にご迷惑がかからなければ是非行ってみて下さい。そこでミスタッチが起きやすい箇所を記憶して、その日の練習で意識して部分練習をしてみて下さい。そうして毎日少しずつミスタッチの不安を減らしていく方法はとてもお勧めです。

本番当日にできる事。

冒頭にも書きましたが、緊張してしまう人にとって「緊張しない方法」はありません。

一番緊張しない状況に近づけられる方法はとにかく練習して自信を持つことです。暗譜するまで弾きこんで、ここまでやった!と思って本番に臨む事が何よりの安心材料です。

私は師匠に「本番では普段弾けてる実力の7~8割程度しか出せないと思いなさい。」「練習で120%の実力を感じなければ本番で100点の演奏なんてできっこない」と耳がタコになるほど言われました。実際に120%ってありえませんが、何度弾いても毎回ベストパフォーマンスが出来る状態というそこまで弾きこんでいる状況ですね。

そこまで出来れば万々歳、楽しんで本番の演奏を乗り切れると思います。

でも、みんなそこまでなかなか到達できないので、緊張感を感じてしまったり、本番でのミスが怖くなってしまいますよね。

まずは緊張している自分を受け入れましょう。緊張は敵ではないです。

①お客さんは怖くない・・・お客さんの前で失敗したくない気持ちはもちろんありますが、聞いてくださってる方は貴方がミスをしたからと言って「あー!間違えた、へたっぴだな」と思ってますでしょうか。そんな事ないと思います。頑張れ頑張れ!と思ってくださってますし、いい曲だな~とか、難しそうだな~と思ってくださってるはずなので、聞かれていることに恐怖心を持ってしまう場合はそんなことないんだと思ってください。

②フィギュアスケートの選手などによく見られますが、本番前に何か儀式のようなおまじないのような行動をしている所をみた事ありませんか?「人」を掌に書いて飲むもの同じ事ですね。私は必ず「ふぅー」っと深呼吸してゆっくり両手を構えるようにしていました。そうする事で緊張してる気持ちをいったん落ち着かせる事が出来ます。慌てず時間かけて準備して大丈夫ですので、必ず少し一呼吸おいてから演奏を始めましょう。

③手の体操・・・本番前は手が冷たくならないように、座席で順番待ちをしている間はホッカイロを持っていてもいいですし、手をグーパーしたり、ストレッチしたり、少し動かしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

緊張はなるべくしたくないものですが、全くない方がいいか?と言われるとそうではないと思います。

緊張感の中だからこそ感じられる表現もありますし、緊張感を持ってこそ得られる達成感もあるからです。

そして、聴いていてくださるお客様はたとえミスタッチの瞬間「あっ」とは思っても、演奏が終わったあとや発表会が終わった後まで間違えたことが記憶に鮮明に残ってるとは思えません。

それより、頑張った事を労う気持ちや、曲の印象、私も弾いてみたいなとか、弾いた事あるな、懐かしいなと思って聴いてくださってると思います。なので、少々のミスは気にせず最後まで楽しんで弾けるようにして下さい。

家族や先生とはもちろん、反省点として「次はこうしたらいいね」と話し合うの事は良い事ですし、次回に向けて上達するためには必要な事です。

間違える事に対してなるべく恐怖心を持たないようにして、「間違えたら間違えたでいいんだ。その代わりこの曲の良さが伝わる魅力的な演奏をしよう」や「この曲が大好きで頑張ってきた気持ちをお客さんに伝えよう」と思って演奏してみてください(^^)

演奏曲に対する気持ちや誰かに聞いてもらいたい気持ちを強く持つと、不思議と演奏に集中出来るので是非意識して本番挑んでみてください。

成功を祈ってます✨